ワイヤレスジャパン2016 - フォト・ルポルタージュ
ワイヤレスジャパン2016
2016年5月25日〜5月27日,東京ビッグサイトにて開催
ワイヤレスジャパン2016
取材:「RFワールド」編集子

テクトロニクス(Bluetooth SIG):USB3.0接続で最大7.5GHzまで観測可能な40MHz帯域のリアルタイム・スペアナ
 テクトロニクス社のブースでは,USB3.0でタブレットPCやノートPCに接続して使うUSBリアルタイム・スペアナ・シリーズを実演していました.RSA306B型とRSA507A型ポータブル,RSA607A型は据え置き型です.
 今のところIoT無線の本命と考えられているBluetooth Low Energy (BLE) のように,普段はスリープしており,接続要求があったときだけ短時間電波を発信するような無線デバイスのスペクトルは,伝統的な掃引型スペアナだと,たとえ電波があってもその存在を見つけることすら困難です.
 RSAシリーズのUSBスペアナは,小型軽量とはいえ40MHzもの帯域を同時にキャプチャして連続時間で観測できるので,BLEの電波も難なく捉えることができます.
 左写真の上側がRSA607A型スペアナです.下側はRF信号発生器TSG4106Aです.RSA607A型はAC100V電源を内蔵した据え置き仕様です.本体はRFサンプラとして動作し,スペアナとしての信号処理や表示はUSB3.0で接続したタブレットPCなどで行います.観測周波数範囲は9kHz〜7.5GHzであり,左の写真のセットはオプションのトラッキング・ジェネレータ(TG)を内蔵しています.
 別売の反射測定キットを併用すると,アンテナのような1ポート・デバイスのインピーダンスやTDR観測によるケーブルの断線箇所の測定などにも対応します.
 左はコンパクトなRSA306B型です.9k〜6GHzをカバーし,リアルタイム帯域は40MHzです.USB3.0のバスパワーで動作し,タブレットPCなどに接続して使います.型名から想像されるように306Bは2014年発売の306Aを改良したバージョンであり,位相雑音性能などが向上しています.
 306BはTGを内蔵できませんが,コンパクトで廉価です.
 写真のタブレットPCはパナソニックのToughpad FZ-G1です.10.1インチ表示なので,RSA306Bのコンパクトさがわかると思います.6GHzまでカバーする40MHz帯域のリアルタイム・スペアナがこの大きさで実現されています.

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