6.7 パッチアンテナ

誘電体基板の表面にアンテナを印刷し、 裏面のグラウンド板から同軸線路の内導体を接続したアンテナを、 ここではパッチアンテナと呼びます。
リスト6-7-1にパッチアンテナの入力データを示します。
本プログラムでは重複した場所の物性値は後のデータが優先されますので、 誘電体基板を最初に入力する必要があります。
また、給電点の位置が基板内になるように、 給電点のZ座標はグラウンド板表面の少し上を指定します。
本アンテナは給電点の位置を中心から少しずらすと、 特定の周波数で固有モードが発生しアンテナとして動作します。
図6-7-2,図6-7-3に入力インピーダンスと反射係数の周波数特性を示します。
図6-7-4が共振周波数での遠方界パターンです。 利得は正面(+Z方向)で最大7.2dBとなります。


リスト6-7-1 パッチアンテナ(patch.ofd)

OpenFDTD 1
title = patch antenna
xmesh = -50e-3 50 +50e-3
ymesh = -50e-3 50 +50e-3
zmesh =  -2e-3 1 0e-3 1 +2e-3 9 +20e-3
material = 2.2 0 1 0  誘電体材料
geometry = 2 1 -50e-3 +50e-3 -50e-3 +50e-3  0e-3 2e-3  誘電体基板
geometry = 1 1 -50e-3 +50e-3 -50e-3 +50e-3 -2e-3 0e-3  グラウンド板
geometry = 1 1 -18e-3 +18e-3 -18e-3 +18e-3  2e-3 2e-3  パッチアンテナ
geometry = 1 1   4e-3   4e-3   4e-3   4e-3  0e-3 2e-3  同軸線路内導体
feed = Z 4e-3 4e-3 0.1e-3 1 0 50  給電点
rfeed = 5
abc = 1 5 2 1e-5
frequency1 = 2300e6 2700e6 80
frequency2 = 2500e6 2500e6 0
solver = 20000 100 1e-3
far = Y 72
end

図6-7-1 アンテナ形状         図6-7-2 入力インピーダンス(2300-2700MHz)

図6-7-3 反射係数(Z0=50Ω, 2300-2700MHz)         図6-7-4 遠方界(Y面)